上州武尊山スカイビュートレイル70
更新がかなり遅れてしまったが、
レースレポート。
75km 4500mD+で歯ごたえのあるコースだった。
初の50km超。
苦しくも無事に完走。
○スタート〜A3ほたか牧場
スタート開始直後に垂直へ400m上昇のゲレンデ。
序盤なので抑え気味で登る。
下りは緩やかで、気持ちよく山道を駆け抜けられた。
下りきったらキャンプ場を横目にロード、林道を駆け抜ける。ここまで体も心も元気。登山者や周りの声援に一つ一つ応えてた。
大体1200m D+くらいか?
道中はレースのために切り開いた道ばかり。
前日の雨の影響で、ドロドロの急坂を登ることになり、常に踏ん張ってる状態であった。
武尊山山頂はガスっており、何も見えず。
ここから下りもドロドロ、沼などアドベンチャーなコースであった。
泥濘みは飛び越えて避けていたが、キリがなかったので、気にせず突っ込むことにした。そしたら膝まで浸かる沼に突っ込んでしまい、沼に靴を持っていかれてしまった。
5分ほど沼地で靴を探す羽目になり、全身泥だらけ。時間も気持ちもロスしてしまった。
なんとか靴を発見し、履き直し、1人全身泥だらけでA3へ足を進めた。
○A3ほたか牧場〜A4片品高原スキー場
エイドが豊富すぎて驚いた。
おにぎり、バナナ、ジェル、トマト、チョコ、豚汁などなど。
美味すぎて豚汁2杯、おにぎり2つ頂く。
他にも果物をなるべく多めに補給し、泥を水で流し、軽くストレッチしてA4に向けて出発。
初めはロードがしばらく続いた。
下り基調なのでなるべく走った。
そして武尊山スカイビュートレイルの名物、ゲレンデ巡り。
まずは尾瀬岩倉スキー場。
水平距離1kmで300m高く登る。
日差しも強くなり、影が少ないため、体温が上昇。心拍もガンガン上がる。
フラつきながらも何とか登りきるもの、今度は登った倍高くゲレンデを下る。
私はゲレンデの下りは嫌いだ。着地筋が鍛えられてないので、常に痛みを感じるからだ。
出来るだけ痛みを抑えるために、ゆっくり歩きながら下る。
そして下りきったら、またゲレンデ。
今度は片品高原スキー場のゲレンデ。
ただ無心に登る。ひたすら登る。
途中偽ピークに惑わされ、ショックを受けるも、なんとか登頂。
また登った倍以上にゲレンデを下る。
もう足は限界だが、コース的に半分も進んでおらず、気持ちがさらに折れる。
○A4片品高原スキー場〜A5オグナほたかスキー場
A4ではFunTrailsのメンバーがエイドを運営していた。パーティーソングがガンガンに流れており、ゴールかと思ってしまった。笑
水分と食事を摂り、足をほぐす。
10分ほど休憩し、次のA5へ向かう。
田舎道を進むが、突然胃の調子が悪くなり、さらに足が棒になってしまう。
全く走れなくなり、5kmほどロードを歩くことに。リタイアが脳裏に浮かぶ。
とてもじゃないが、ここから40kmも進めると思えない。とりあえずA5までは頑張ろうと心に決める。
ロードが終わると山に入ったが、ここでスイッチが入り、胃も足も復活。
ガシガシ400mの山を登る。
そして登った分を下り、また700m登る。
山に入ると元気になれる、反応は山が好きなんだなと実感する。
そしてゲレンデへ。登りはたいしたことないが(ほとんどノロノロ歩きだけど)、下りが急峻過ぎて泣きそうになった。
とにかく気を緩めば、滑り落ちてしまうような傾き。ずっっっと足を踏ん張っていなきゃ行けない状況が辛かった。大腿四頭筋も限界。
ゲレンデ下りが終わると1kmのアスファルト道を経て、A5へ到着する。
そして、このアスファルト道で120のトップ2人に抜かれた。
4分台/kmペースで走り去っていく。
私より長い距離踏んでるはずなのに、私より速いペースで駆け抜けていくトップ集団。
恐ろしい。。
○A5オグナほたかスキー場〜A6赤倉林道
事前にA5に仲間がいてくれるとの情報を得ていた。仲間にサポートしてもらえると勝手に想像して、期待を膨らませA5に到着
…したのだが、誰もいない!?
(もちろん公式サポーターはいました)
どうやら早くA5についてしまったらしい。
かなり気持ちが落ちてしまい、リタイアに心が揺らいだ。
とりあえず豊富なエイドでラーメン2杯、おにぎり(だったかな?)、果物を補給し、足をマッサージする。
一旦20分休憩し、そこで気持ちが落ちたらリタイアしよう、と心に決めた。
一番長い休憩20分をとった。
いろんなこと考えてたら、リタイアの人を見つけた。泣いていた。どうやら怪我してた模様。そうだよなぁ、コースの半分以上進んで、やっとゴールが見えてきたところで怪我によるリタイアは辛いだろうなあ。
一方で自分は足が痛いだけで外傷なし。気持ちの問題。ここで負けたら成長できないと。
リタイアした方には申し訳ないが、彼のおかげで気持ちにスイッチが入った。
感謝する。
20分が経ち、重い足を上げて、徒歩でも良いからA5を出発した。
痛いけど歩けば前に進めるんだ、ゴールが見えて来るんだと開き直った。
すると事前に足が動くようになり、その後続く200m近い山小道とロードの下りを気持ちよく駆け下れた。
だが、そのエネルギーもあまり続かず、赤倉林道の登りは全て歩き。
林道で120組の3,4,5位に抜かれる。
それでも何とか70組最後のエイドA6に到着した。
○A6赤倉林道〜ゴール
スープとおかゆを食べた。
すると70組の仲間が、そして数分後に120組6位の仲間がA6に到着した。
心身限界の中、仲間に出会えたことが嬉しく、また元気をもらった。
120組の仲間と一緒にA6を出発、これまで全く走れなかった足も順調になり、ガンガン走って進めた。
仲間に引っ張ってもらい、本当に感謝。
しばらく進むと120組と70組の分岐に到着し、仲間を見送った後、私は最後の山、浅松山へと足を踏み入れた。
若干の渡渉があるが、たいした難易度ではない山。だが、細かいアップダウンに悩まされた。また、日も暮れ辺りは真っ暗。何度も足に足をぶつけ、躓き、苛立ちを感じていた。
そしてこんな暗い中、前後に誰もおらず、不安感や恐怖感が襲いかかってきた。
普段はこんなこと感じないだろうけど、満身創痍の中、心も自制できない状態で、感情に敏感になっていたようだ。
ただでさえ怖いのに、川を挟んだ隣の笹藪から大きな物音がした。
そして微かな獣臭。実際に見たわけではないが、クマだと直感した。大きな声で叫びながら山道を進む。しばらくすると物音は聞こえなくなった。
(翌日、私が物音を聞いた付近で、クマが発見されたらしく、おそらく私の近くにも居たと思われる)
そんな苛立ちや恐怖を感じてたら、いつの間にか浅松山を過ぎており、雨恋山手前のWSに到着していた。残り5km。
雨恋山の登りは難なくクリア。
最後下り4km。
前半の沼や渡渉のせいで足裏がふやけ、巨大な豆ができており、足裏が痛い。そして急な下りで大腿四頭筋も痛い。でも残り数kmでゴールだと言い聞かせ、下る。
そしてやっと明かりが見え下山した。
ブルーベリーの丘と呼ばれる小さな丘を越え、あとはゴールまで1kmロードを走る。
やっと長いレースが終わる、辛くて痛くて怖かった、仲間に助けられた、いろんな人に鼓舞された、走馬灯のように今日のレースが思い出された。
そしてゴール手前、サポートの仲間が激励を飛ばしてくれた。
そしてゴール!
順位は60/300位くらい。
序盤40位くらいで、かなり落ちてしまったが、無事に下山しゴールできた。
今回のレースではいろんな人に助けられたし、自分もかなり成長できた。
助けてくださった方々には、次は私が恩返ししなきゃいけないし、自分自身もさらなる進化を遂げるためにも日々鍛錬を重ねていこうと思う。